第9話 コンビニでの事故 その2

先月に引き続き「コンビニで起きやすい自動車事故」を特集していきます。

この仕事を続けて約40年となり、今まで数々の自動車事故処理をお手伝いしてまいりましたが、時速30キロ以上での事故は記憶にありません。殆どの自動車事故は「コツン!」「ポコン・・・」と、ちょっとしたミスから。そして近年多い事故現場ナンバーワンがコンビニ駐車場です。

1.前方駐車後、バックで出庫しようとして

ひとつには、近隣の住宅住民への配慮で、お店側から【前向き駐車のお願い】と指定されることも多くあります。この様な場合には仕方ありません。

しかしバックで出庫の際には、バディの方に車外から誘導してもらえると良いですね。
この時ドライバーは左右両方の窓を全開にして周りの音にも注意してください。小さな子供など、容赦なく飛び出してきますが、何しろ見えにくいからです。

2.ドア開けで隣の車に

通称「ドアパンチ」と言われるそうですが、ゲストの乗り降りには特に気を付けましょう。不慣れな車ですからドアの大きさにも慣れていません。
風の強い日などには、ドライバーが先に降りてドア開けまでエスコートするくらいが安全です。

先月号でもお話ししましたが、駐車後もドライバーには管理責任があります。休憩時には原則全員揃って降車していただき必ず施錠。集合時間を決めて、安全に乗り込んでいただくようにした方が良いでしょう。

3.右折による入庫

皆さんの中には、ご贔屓のコンビニがあるかもしれません。でもそこは“安全第一”で選んでいただけないでしょうか。
右折で入庫した場合、目的地に向かう出庫時も右折になるはずです。不慣れな土地で、リスクは減らしたいもの。左折で入庫できるコンビニを選ぶほうが無難です。
万が一、クルマ同士右左折でぶつかれば右折の方が過失が多くなります。

4.番外編

食事休憩ともなれば、60分から90分くらいの駐車になります。時には「熟睡しているから、そのまま寝かしておこう」と、エアコンをかけたまま一人車内に残していくことなど無いでしょうか。これは一酸化炭素中毒の危険性があります。

自動車のボディは思うほど気密性は高くありません。無風な時には自車の排気ガスが車内に入り込むことは充分に予想されます。
こちらもドライバーの責任になりますので、長時間クルマを離れるときには、車内に乗員を残さないようにしてください。

株式会社遠井保険事務所
遠井洋文・責任編集 ▲