第8回 葉山の藻場再生活動【教えて!ぱーこ先生】

第8回は連載二回目、葉山ダイビングショップNANAから、ぱーこ先生が藻場再生活動についてお伝えします。

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今回のテーマは藻場再生活動です。
私たちは、毎年海の日に、ビーチクリーン&藻場再生活動のイベントを行っています。

海藻と幼魚
海藻と幼魚

海藻は、光合成によって二酸化炭素を吸収して酸素を作り出したり、幼魚の住処になったりと、大活躍をしています。
海藻が減ってしまうと、温暖化が進み、幼魚が大きな魚から身を守る場所が減るため魚が育たなくなり、私達の食生活にも影響が出てきます。

そこで、海藻が豊富だったかつての葉山を取り戻そう!という活動をイベントにして、お客様にもお手伝いしてもらっています。

今回の活動は、海藻の生えていないポイントに海藻を増やしていこうというもの。
その内容は、ダイビングポイントから採取した海藻から胞子部分をちぎり、生分解性のスポアバックという袋に入れて、海藻がなくなり磯焼けが進んだダイビングポイントに設置するというものです。

磯焼け
磯焼け

藻場再生のイベントは年に3~4回ほど行っていますが、活動内容は毎回違います。

神奈川県の許可を得て、ウニの駆除活動も行っています。

ウニ
ウニ

葉山の磯場には、中身(食べられる部分)の少ないムラサキウニやガンガゼが多くいます。
その原因は、ウニの食糧源である海藻の減少です。

海藻を食べ尽くし減らしてしまうウニは、食害の代表的な生物です。
ウニ達も懸命に生きているだけなのですが、海藻を増やす活動の一つとして、ウニを駆除しています。

また、今の時期はサザエやトコブシの稚貝を撒く活動などもしています。
1回に撒くのは1万個程度ですが、その中で生き残れるのは1割ほどとのこと。

今回は初めてのお客様が多く、また若い方々も参加してくれました。
若い方々が葉山の海の現状を知って、活動に参加してくれたことに、心から感謝しています。

ダイビングショップNANA 永橋麗良様 ▲
https://nana-dive.net