第11話 ハンマーを見たい – 初心者ダイバーまっちゃんの体験記

久米島でのダイビング中、休憩していたら、ゲストさんの会話が聞こえてきました。

「今の見た?」
「見た、見た!大きかったね」

何のことだろう、と尋ねると、ハンマーヘッドシャークがいたのですって!
頭がハンマーの形のサメです。水族館では見たことがありますが、本当にいるんだと感激しました。

海の中でハンマーの群れを見たい!
調べてみると、秋・冬のシーズン、与那国でハンマーの群れに会えるようです。

さっそくダイビングショップを調べたら、注意書きがぞろぞろ。

  • ドリフトダイビングです
  • 経験本数50本以上
  • フリー潜降、安全停止、浮上ができること

ドリフトって何?

私が体験してきたダイビングは、

ダイビングポイントに着いたら、アンカー(碇)を降ろしてボートを固定する。

潜降ロープを伝って潜る。

40分程潜ったら、ボートの場所に戻る。

ロープにつかまって3分間の安全停止をする。

ロープを伝って浮上して、ボートのラダー(はしご)まで行く。

ガイドがフィンを脱がしてくれて、ラダーを上がってボートに到着。

というものでした。

ドリフトダイビングは流れの速い海で行うもので、ボートはアンカーを降ろさずに、ダイバーの後を追いかけます。

潜降するため、安全停止のためのロープはなく、自力で潜り、水深5mで3分間止まっていなくてはなりません。

久米島の海で何度も練習しました。

宮古島のダイビングショップでドリフト講習をしていたので、すぐに申し込みました。

講習を受けるメンバーは5名。

ボートの両側の縁に分かれて座り、「1・2・3」のかけ声で、一斉にバックロールでエントリー(背中を倒して仰向けで入水する)、そのままフィンキックで潜っていきます。

潮の流れに乗りながらのダイビング。水深5mで多少浮き沈みしながら3分間の安全停止。

水面に出ると、ボートが近づいてきます。
船縁につかまっていると、ガイドが順番にフィンを脱がせてくれます。

ボートに乗り込んで、めでたく講習は修了。ライセンスカードをもらいました。
これでドリフトダイビングも楽勝、と意気揚々、与那国へ。

ところが・・・

与那国のショップのボートは、後部全体が上下できる大きなラダーになっています。
船縁は水面よりかなり高く、バックロールなんてできない。

どうやってエントリーするの?

ポイントに着いたらラダーを降ろし、ダイバーは準備をすべて終えて待機。
ガイドの合図で次々にラダーを降り、足から入水。
そこからヘッドファースト(頭を下にして潜る)で水深10mに集合。

エキジットの時は、フィンをはいたままラダーを上がる。
グズグズしていると潮に流されてしまうから素早く。

宮古島での講習とは全く違いました。
何だったんだ、あの講習は?緊張で頬がこわばりました。

どうなる?ドリフト。

■ダイバーズ保険facebookでは、まっちゃん撮影の写真も掲載しています。
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