第23話 世界遺産~屋久島 – 初心者ダイバーまっちゃんの体験記

まだバリバリ仕事をしていた頃、NHK学校教育放送環境教育番組の企画委員会に参加していた時期がありました。

環境破壊の問題点を鋭く指摘する内容で、今話題となっているプラスチックごみについても、既に取り上げていました。

「問題点ばかり指摘するのではなく、美しい日本の自然も取り上げて欲しい。この自然の素晴らしさを守るためにはどうしたらよいか、という問題意識を子どもたちに持たせたい」という私の意見で、屋久島の自然を紹介する番組が作られました。

さて、そうなったら屋久島観光です。

縄文杉は大変なので遠慮して、屋久島の自然を楽しみました。
そのとき、ダイビングショップの案内がないことに気づき、屋久島ではダイビングはできないと思い込んでいました。

しかしその後、パラオでお世話になったガイドさんが屋久島でダイビングショップを開業すると聞き、すぐに飛んでいきました。

屋久島では猿や鹿が有名ですが、アカウミガメの保護も行っています。

毎年砂浜にやって来て、海から離れた浜に産卵します。
もっと海に近いところで産めばいいのにと思ってしまいますが、孵化した子ガメに海まで這って戻る力がなければ、大海原を泳ぐことはできないのだそうです。スパルタ教育ですね。

沖縄や海外など、熱帯の海にばかり潜っていた私には、温帯の海は、見たことのない魚に出会えて新鮮でした。
珊瑚がとても美しく、たくさんの魚が群れをなして泳いでいました。

ゼロ戦と呼ばれるポイントには、太平洋戦争で墜落した戦闘機の残骸が沈んでいました。

戦争が終わったあと、そこは立派な魚礁になり、大きなアザハタ、キラキラ光るスカシテンジクダイ、美しいスザクサラサエビなどが、仲よく暮らしていました。

潮の流れが速いので、必死に泳いでいたキンギョハナダイが、疲れたのか泳ぐのをやめてしまうと、すーっと後ろに流されていきます。慌てて泳ぎ出すところが可愛かったです。

ちょうど魚たちの産卵のシーズンで、アオスジテンジクダイが口の中いっぱいに卵を含んでいました。

その様子を撮ろうと、息を止めて狙っていましたが、なかなか口を開けてくれません。それでもなんとか2枚だけ撮ることができました。

写真を整理していたら、小さなゴミのようなものが写っているものがあり、拡大してみると、それは小さな稚魚でした。まさに、いのち輝く豊穣の海でした。

食事はとても美味しく、カメノテという貝、クビオレサバの刺身、クルマエビ、トビウオの唐揚げなど、思わず食べ過ぎてしまいました。

屋久島にはダイビングショップがまだ10軒ほどしかなく、海の中は開発途上だそうで、まだまだ面白いところがありそうです。

■ダイバーズ保険facebookでは、まっちゃん撮影の写真も掲載しています。
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