第7話 共同不法行為

不法行為なら知っているけど“共同不法行為”って?

例1)玉突き追突

高速道路などで、複数の車が連続して追突してしまう事故があります。
通称:玉突き追突と呼ばれてますが、この場合先頭車両に対して、後続車両は総て“共同不法行為”として賠償義務が発生します。

例2)車両の盗難

コンビニで水分補給のため車を駐車させたが、あまりにも暑いので、エンジンを切らずに店内へ。
買い物を済ませて出てきたら駐車したはずの車が無い…
大切な愛車は盗難されてしまい、挙句の果てに犯人は人身事故まで起こしてしまった。
犯人のみならず、車両管理不十分として車両所有者も“共同不法行為”として賠償義務が発生します。

例3)ジテンシャ通勤中の人身事故加害者

ジテンシャ運転者と共に、自転車通勤を容認している勤務先にも賠償責任(安全配慮義務違反)があり、運転者と雇用者の“共同不法行為”が成立します。

例4)異時の交通事故

1回目の交通事故被害により脳挫傷に至ったが回復し退院。
2か月後、脳挫傷の経過観察のために通院中、2回目の交通事故に遭い、硬膜下血腫を発症。重篤になる。
医学的にどちらの事故が原因か特定できず“共同不法行為”となる。

例5)複数台の車両

路上で倒れている人に気が付かず、自動車で轢いてしまった。
警察の実況見分によると、複数台の車両に轢かれていたことが判明。
どのダメージが致命傷かも解析できず、自分を含めた複数台の車両による“共同不法行為”になる。

例6)医療ミス

交通事故で入院・手術を受けていた患者さんが、医療ミスによる重度の障害を負ってしまった。
事故加害者と共に医療機関並びに担当医師と三者は“共同不法行為”。

■『共同不法行為と使用者責任』をマンガで解説(マンガで民法がわかーる。HPより)
https://www.sibakiyo-minpo.com/entry/2018/02/18/134905

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