第10話 ボランティアでも法的な責任が

世の中には様々なボランティア(*1)に参加され、活躍している方々がいます。

身近な活動では、駅前の清掃から野球やサッカーのコーチ・監督など。
また近年では災害ボランティアとして、長期間活動する方も増えています。

他にも営利を目的としない“趣味・愛好家の集まりである団体”の役員を頼まれ、気軽に引き受けている方も多いのではないでしょうか。

「無償のボランティアなのに、
賠償責任が発生するの???」

『はい』
『自己のためにするのと同一の
“注意義務(*2)”があります』

例1)

趣味で参加し始めた自然観察会でしたが、永年楽しく活動させていただいたので、嘱望されたこともあり理事として参加することに。
ところがある日、会員数名から「個人情報が漏れているのではないか」と指摘され、内部調査したところ、事務局長が無断で会員リストを選挙活動に流用していたことが判明。

例2)

野球好きもあり、地域の少年チームの監督兼コーチを引き受けることに。
ある日、対外試合のために県外までマイクロバスで遠征。運転も監督が行った。
高速道路内で突然扉が開き、少年ひとりが落車して死亡してしまった。

例3)

現役時代、某大学にて美術史を教えていたことがあり、地元の社団法人から理事へ招聘され、恩返しの気持ちで引き受けた。
事前に財務内容の確認などは一切せず就任したが、3年後の決算で不正経理が発覚。

此処までお読みになって「ボランティアなんて辞めた」などと言わないでください。
でも、詳細を確認する事はとても重要です!

  • 1)必ず事前に、家族と協議・相談し理解を得る
  • 2)参加団体の規約や財務諸表などデーターは確認する(公開されているはずです)
  • 3)郊外での活動時には、充分に下調べを行う(できれば事前に現地調査を)
  • 4)正しい保険の手当てを(種類が多く、間違えて加入されている例を見かけます)

理事・役員の場合には、引退後でも10年間は訴求して責任追及されますので要注意。

(*1)ボランティア Wikipediaより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2
英語でのボランティアには無料奉仕に限定する意味はないが、カタカナ語としてのボランティアにはその意味がある。

(*2)注意義務 Wikipediaより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A8%E6%84%8F%E7%BE%A9%E5%8B%99

■ボランティアでも法的な責任・罪に問われます!事故裁判の判例から考えるボランティアの責任
https://eduwell.jp/article/volunteers-will-also-be-charged-crime/

■ドアロックかけず小5転落死 「逮捕はおかしい」との声
https://www.j-cast.com/2007/12/26015054.html?p=all

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