第10話 同僚災害(同僚間災害)

自動車保険の対人賠償における意外で重大な免責事項(保険金が支払われない)を2話ご紹介します。
今月は「職場の同僚への事故の免責」を、来月は「家族間での事故の免責」を。

  1. 職場の同僚への事故の免責
    (本文では、同じ会社へ務める全員を意味します)
  2. 家族間での事故の免責
    (本文での家族の定義は、来月号の文末に掲載)

1の事例1)

ダイビングツアーも無事終了し、スタッフ2名で運転を交代しながらの帰路。ふたりともウトウト居眠りをしてしまい電柱に激突。助手席のスタッフBは打ち所が悪く、緊急入院。

  • 【免責】対人賠償からは同僚災害として免責になり、一切補償されません。
  • 〔有責〕搭乗者傷害、人身傷害、自賠責保険からは、補償されます。

1の事例2)

社有車を車庫に入れたら本日の業務も終了です。同僚に後方確認をお願いしながらバックしようとしたところ、ペダル操作を誤り後方に急発進。同僚をクルマと壁の間に挟み込むようにケガさせてしまった。

  • 【免責】同僚災害として免責になり、対人賠償からは一切補償されません。
  • 〔有責〕搭乗者傷害、人身傷害(車外も補償特約付きの場合)、自賠責保険からは、補償されます。

本年3月の第3話にて、対人賠償と人身傷害と搭乗者傷害については詳しくご説明いたしましたが、同僚災害については他社HP参照のみの説明でしたので、此処に改めて掲載させていただきました。

●第3話:対人賠償と人身傷害と搭乗者傷害
https://toy-hoken.co.jp/mailmagazine/category04/2023032001/

●仕事中、同僚の運転する車で事故。保険金は支払われない?
https://www.daylight-law.jp/accident/qa/qa169/

●使用者の責任と運行供用者責任
任意自動車保険から保険金が支払われなかったとしても、使用者である会社は民法715条本文の使用者責任と自動車損害賠償補償法3条の運行供用者責任を負います。

株式会社遠井保険事務所
遠井洋文・責任編集 ▲