第3回 南大東島って知ってますか?(2)

第2回にひきつづき、第3回も南大東島観光協会・桃原祥子様から、自叙伝的にお届けします。

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(前号の記事はこちら

そんな青春時代を過ごし、18歳で現在の旦那さんと知り合い、20歳で結婚。

「子育ては、自分が生まれ育った島でしたい」とお願いして、島での第二章がスタートしました。旦那さんもこれまた沖縄の離島、久米島の出身です。

順調な結婚生活と子育ての日々を過ごす間に、大好きな父の天国への旅立ちを見送り、2013年に南大東村観光協会に就職、現在に至ります。

南大東島は、農業、漁業、観光の三本柱で盛り上げていく方針です。

農業は基幹産業であるサトウキビを中心に、そして漁業は南大東近海のマグロが島外でも人気で、共に順調に進んでいます。

ところが観光はというと、スタートダッシュに失敗し、観光協会設立後約10年を迎えて、ようやく島民から「観光協会、頑張っているね!」と嬉しいお言葉をいただけるようになりました。

観光の「か」の字も分からない私が、事務局長として島の観光をゼロからスタートさせることに、当初はとても不安を感じていました。

ですが、そんな弱音を吐いている場合じゃない。
この島で生まれ育った私にしか出来ない!と自分自身を奮い立たせました。

それからの約10年は、あっという間に過ぎていきました。

その間によく訪れた私の大好きな場所、それは「夕日の広場」。
島の西側にある夕日が美しい場所。

そこで、缶コーヒー1本でボーっと過ごすのが、私の癒しの時間でした。
目の前には夕日。
私の後ろから夜がやってくる。
夕日に染まった空と夜の空のコントラストは、南大東島でしか味わえないと思います。

写真では表現できない景観を、実際に見に来ていただきたいです。

現在観光協会では、島内の観光施設3ヶ所を10名のスタッフで運営しています。
ほとんどが県外から嫁いできた若い世代ですが、だからこその目線がとても貴重で、島の観光振興のためには欠かせないスタッフが勢ぞろいです。

島のことをもっと知りたいと村誌片手に勉強している姿、実際に行動し、体験する姿は素敵です。
こんなスタッフがいれば、島の観光のみならず島自体が安泰だと感じています。

今後は、もっと島の方々に「観光」について理解してもらい、協働できる環境をつくることが大切だと考えています。

そのために、観光だけでない観光協会を目指します。

島の方々にも観光のお客様にも、共に楽しんでもらえるイベントの開催、クリーン活動など、挑戦したいことがたくさんあります。

背伸びをしないで、自分たちの無理のないペースで進みます。

5年、10年かかっても、これからも元気な観光協会で、元気な島の観光を盛り上げていきます!

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【前号】第2回 南大東島って知ってますか?(1)
https://toy-hoken.co.jp/mailmagazine/category05/2024032002/

桃原祥子様作 遠井洋文・責任編集 ▲